~げんきくん、ゆめちゃんが放鳥されました~
越前市の大空に、コウノトリを放すなど、夢には描いておりましたが、本当に実現するなんて・・・。
平成27年10月3日(土)、越前市白山地区においてコウノトリが2羽放鳥されました。
坂口と白山の両地区で越前市西部地域として「コウノトリが舞う里づくり」に取り組んでいます。
平成23年12月10日に、兵庫県立コウノトリの郷公園から、「ふっくん」と「さっちゃん」が繁殖目的で移送されてきました。なかなか有精卵が産まれず、昨年、托卵によって3羽のコウノトリが誕生しました。
その内の、「げんきくん」と「ゆめちゃん」が放鳥対象となりました。
県内外から来られた約500名の観衆が見守る中、テープカットの後、箱から真っ先に飛び出してきたのは、「ゆめちゃん」で、観客の頭上を何度も旋回、続いてその後を「げんきくん」サービスのように旋回するという、まるで、シナリオを作ったのかと言わんばかりの光景。
「きれいな鳥やね~」「大きいな~」いろんな声が飛び交っています。どなたも笑顔で嬉しそうな顔。拍手や感嘆の声は、優雅に大空を舞うコウノトリたちに届いたでしょうか。
さてさて、放鳥された後、げんきくんは、福井県からすぐに離れて石川県に入り、その後、福島県、宮城県と渡りました。
ゆめちゃんは、白山地区で2泊した後、なんと、坂口地区に!エコビレッジ交流センターの東側、田園風景が広がる中心地に舞い降りました。
ゆめちゃんは、イナゴのようなものを最初食べていましたが、ついに、大物をゲット。200~250gほどのシマヘビでしょうか。何度か太くて大きいくちばしで、もて遊んでいました。が、最後には丸のみ。これで、少しは満腹感を味わえたかと、ホッとしました。
コウノトリは、その昔、普通に日本に棲んでいました。
明治時代、狩猟によって数が減り、第2次世界大戦中、巣塔として使うアカマツが伐採されたことでまた数が減り、昭和30~40年代、水銀が含まれた農薬散布によって絶滅に追い込まれました。人間の手によって絶滅させてしまったという歴史があります。
コウノトリが棲める環境は、人間も安心安全で住むことができる環境だといわれます。コウノトリが特別な鳥ではなく、アオサギやダイサギと同じように普通にこの地にいるように、時間はかかりますが、そういった環境を取り戻していきましょう。今回の放鳥は、そのための試験放鳥だともいえます。
野村 みゆき (越前市エコビレッジ交流センター指導員)